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2018年03月26日

岐阜県のゲームセンターに何があったのかを書ける範囲で書いてみる

 当記事は古川モトイの現状での理解に基づいて書かれている為、法令への誤解や無知、実情に関して事実とは異なる内容が含まれる可能性があることを、まずはじめにお断りしておきたい。また、文中に記載ないソースについては明記しない、問い合わせにも応じられない事とする。

・事の発端

 事の発端をどことするかは非常に難しいことではあるが、とりあえず、5chのログに残っていた記事を参照してみる。
https://tsushima.5ch.net/test/read.cgi/newsplus/1242706754/

ニュース元がデッドリンクになっているため正確な情報ではない可能性はあるが、この2009年5月19日にたてられたスレッドは私の記憶とも符合するため引用させていただく。

>19日岐阜市柳ヶ瀬にあるゲームセンターの内部を無許可で改造し、
>アダルトグッズを販売していたとして、ゲームセンターを経営する男が逮捕されました。
〜中略〜
>ことし4月ごろ、岐阜市金町で経営しているゲームセンターを、
>県公安委員会の承認を受けないで一部を仕切るなど改造し、
>アダルトグッズを販売していたというものです。
〜中略〜
>容疑者は以前、ゲームセンターを一定規模以上改造する場合は
>県公安委員会の承認が必要との行政指導を受けたにも関わらず、
>改善していなかったということです。
>
>http://www2.nagoyatv.com/LanDB/jsp/NewsH0200/NewsH0200.jsp?id=29312

私の記憶する限り、この経営者はこの事件以前にもチョンボをやっており、岐南あたりにあった大型店舗で大掛かりな無許可レイアウト変更(*後に説明)をやって指導を受けており、そのときは「一ヶ月の営業停止」というかなり重い指導を受けていたはずだが、改善されなかった。そして、極め付けが引用した事件だというのが私見で、恐らくこれは岐阜県の当時のゲームセンター事情に詳しい人間の中で一定の支持を得られるところだと考える。なお本記事では個人名や店舗名などは適度にボカすので、読まれる方はご留意いただきたい。

・全体の経緯

 経緯を追う過程で、ストーリーがかなりわき道に逸れることが予想されるので大まかな流れを先に書いてしまう。

近隣の県に24時間遊べるゲームセンターが少なかった中で深夜にマイカーでのアクセスが良い岐阜県のゲームセンターが盛り上がる

レイアウト変更が問題化して、岐阜県警が県内のゲームセンターの営業実態の調査に乗り出す

それに絡んで経営が立ち行かなくなるゲームセンターが出始める

風営5号店ではないと考えられてきた店舗まで警察が指導を始める

大手グループが抵抗する

抵抗しきれずに岐阜県内でのゲームセンターの24時間営業が無くなる

経営が立ち行かなくなり潰れる店が続出する

およそこうした経緯で岐阜県のゲームセンター文化は潰えた。

・岐阜県のゲームセンターは特に夜中に盛り上がっていた

 岐阜県のゲームセンターが隆盛を極めていた時代は恐らく1995年辺りではないだろうか。県内はもちろん、愛知県、三重県、滋賀県、場合に寄っては隣接しない県や府からもゲーマーが集まっていた。狭義の「ゲームセンター」は風営法によって定められた施設で、フロアの面積に対してビデオゲームが10%以上(本当はもう少し細かい)おいてある店舗のことを指します。こうした店舗は基本的に夜12時までしか営業できないルールになっていて、一部地域や年末年始のような特別な期間は深夜1時まで営業できたりするのだが、きちんと夜閉める必要がある。しかし、例えばカラオケ屋やスーパー戦闘にビデオゲーム機が一台だけ置いてあるような場合はこれは単に「ゲーム機が置いてあるだけのお店」であって、狭義の「ゲームセンター」には含まれない。このため岐阜県のゲームセンター経営者はかなり気を使って「フロア面積に対するゲーム機の設置率」を考えていた様子だった。多く見られた方法としては、夜になるとゲーム機の電源を切ってしまう方法や、ゲームが密集しているスペースを閉鎖してしまう方法で、現在も他県ではそうした方法で24時間営業しているゲームセンターがある。さらに主たる営業内容を「飲食」や「小売」にする方法も取られる。古いタイプの漫画喫茶には昔懐かしいガラストップのテーブル筐体が設置されている場合がある。あれはあくまでも飲食店の類。また店内のカウンターに雑誌などを揃えて小売している店もある。またドライブインもゲームセンターと親和性が高い。そのようにして多くのゲームセンターが腐心して営業時間を工面していた。

・ゲーム機によく似た別のもの

 ゲームセンター24時間営業の強い味方に「カード販売機」という形態がある。お金を入れるとランダムなカードが出てくるものだ。それに伴って多少のミニゲームが付随しても、それは風営法が監視するところの「ゲーム機」には入らない。あくまでも自動販売機の類なので、元気な掛け声でポップコーンを売っている機械も、軍艦をモチーフにした美少女のカードを売る機械も、プレイするたびにカードさえ出てくればそれは自動販売機の類といえる。なので、元が取れるか分からない大型のカード販売機を24時間営業のゲームセンターはこぞって導入していた。それらが置いてあるエリアはゲームセンター的には何もないのと同じことだからだ。

・さらにスペースが埋まるもの

 ビリヤード台等は当然ゲーム機ではない。卓球台などもそう。室内テニス、バドミントン、イートインや単なる休憩スペースも含めてゲームセンターは「いかにゲームを置かないか」を工夫して24時間営業を達成していた。

・ゲームセンターのレイアウトには理由がある

 ゲームセンターは店内の全てを店員が見通せる必要がある。監視カメラや反射鏡、単に通路を広く取るといった工夫で安全な店舗を作る必要がある。また、照明の明るさも決められていて、あまり暗くすると指導が入る。「明るく安全な遊び場所」を提供するために経営者やスタッフは努力しなければいけない。ゲームセンターのゲーム機は配置する前に全て警察の許可を取る必要がある。警察にレイアウト図面を提出して、許可が出た後にレイアウトを変更、その後、警察の立ち入り検査があって正式に許可と言った厳密な流れがある。しかし、筐体がバージョン変更した場合、例えば「○○U」から「○○V」に変わった場合、「変更前に届けるべきか」と言った問題を抱えていて、オンラインゲームなどは「メーカー側がFAX一枚の事前連絡でいつの間にかバージョンを変えている」場合もあるため、実際にはかなり厳密にそのルールを守ることが難しい。なので、レイアウトを先に変更してしまってから図面を書き、その後、警察に届けて、見にきてもらう流れが多い。そこはゲームセンター経営者の良心が問われるところで、めまぐるしく入れ替わるゲーム機に対して「6ヶ月に一回は変更を届ける」超真面目な経営者も居れば、「開店以来レイアウト変更した事実を届けていない」ようなズボラな経営者も居る。

・発端の事件は「なにがあかんかってん?」と言うハナシ

 「レイアウトをなぜ監視する必要があるのか?」については前述の通り「死角の無い安全な遊技場」を維持するためだと私は信じているのだが、上で紹介した事件では、そのルールに真っ向から挑戦したようだ。

>県公安委員会の承認を受けないで一部を仕切るなど改造し、
>アダルトグッズを販売していたというものです。

意外かもしれないが「アダルトグッズ」の販売はそこまで問題があるわけではない。「ゲームセンターは小売をしてはいけない」というルールは無いし、アダルトグッズの販売は幾つかの条件をクリアすればさほど難しいことではない。問題は「仕切る」と言う点だった。ゲーム機を設置してみたら思いの外、視野に与える影響が大きく、店員にとってしても思いもよらない場所に死角ができた…といった話とは違い、「故意に」ガッツリ死角を作った。店はそのまま潰れ、同系列も全てドミノ倒し閉店。これで収まったかに思えた。

・立ち入り検査

 県内のゲームセンターがしらみつぶしに立ち入り検査にあったのだ。夜12時までに閉店する純粋な風営5号店は勿論、一部区画をあーだこーだして24時間営業を達成していたゲームセンター、果ては「ハナから風営5号なんて関係なかったドライブイン」まで一気にやられた。

・岐阜県のバーチャファイターのメッカであった店舗の場合
 かねてから店舗を増築する計画があり、増築してリニューアルした直後の出来事だった。増築に使った資金を全く回収できないまま24時間営業が出来なくなり、専務が個人で数億円の借金を抱える事態に、ゲームセンター数件を県内で経営する別グループの資金援助を受けて立て直す計画があったが、資金援助は足るほど行われなかった模様。現在は跡形も無くなった。なお、資金援助を持ちかけたグループもゲームセンター業界からは消滅。

・特機屋のロケーション店舗では
 ゲームセンターに設置される機械のことを業界では「特機」と呼ぶことがあり、ゲームの中卸やリースをする企業を「特機屋」と呼ぶ場合がある。そうしたゲーム関連の企業が出店するゲームセンターを特に「ロケーション店」と呼ぶことがあり、そうした内の一件が立ち入りを受けた際、「照明が暗い」「最後に提出されたレイアウト表と違う」という問題点を指摘された。その最後に提出されたレイアウト表に記載されていたゲーム機が現存していないものが多く、「一旦もとのレイアウトに戻してチェックしてもらう」段階で作業が超難航。また近くに大学があったためカップルで夜中に遊べる店舗として人気があったが24時間営業が潰えて大打撃。しかし、さすが岐阜県屈指の特機屋さんだっただけあって生き延びた。

・パチンコ屋に併設された全国展開のゲームセンターの場合
 風営法については全国共通の法令だったはずなので、「岐阜県で24時間営業が絶たれたら、全国で24時間営業がつぶれる」という至極全うな理由で警察に対して抵抗。ビデオゲーム機を数台残した状態で徹底的に撤去し、飲食物をパワーアップして販売し、風営5号店からの脱却を図った(実際、素人目からは「もう風営5号関係ないじゃん」と言うところまできていた)にも関わらず、警察の「見た目がゲームセンターならゲームセンター」という謎理論で24時間営業を断念した。これは完全に私の推測で、なんのウラもないが、警察との間で「ここで警察に折れたら、警察は他都道府県の店舗で同じ理論は振りかざさない」という口約束があったのではないかと思う。

・ドライブイン
 なぜ警察がドライブインまでも標的にしたのか不思議だが、ドライブインもやられた。ドライブインに関しては例の「警察がゲームセンターだといったらゲームセンター」理論はかなり持ち込みにくいはずだったが、やられたドライブインは「夜中に調理担当者がシフトされていなかった」と言う理由で深夜営業が潰えた。警察の立ち入りから数ヶ月で深夜勤務の調理担当を全日で確保する人事の困難さが命取りとなった。しかし、店自体はゲーム機を撤去することでしばらく生き延びた。

・その他のゲームセンターも12時閉店となった
 12時閉店となった他のゲームセンターも次々と経営悪化から閉店していった。逆に元々12時に閉めていたゲームセンターはライバル店が減ったことで一時的に売り上げを伸ばしていたが、昨今のゲームセンター不景気の流れまでは止められずに苦戦している様子だ。

・注目すべきは「警察がゲームセンターだといったらゲームセンター」理論

 本件で非常に不可解なのが「警察がゲームセンターだといったらゲームセンター」という理屈だ。警察は確かに法律をある程度判断して活動する組織ではあるが、法廷の決定を妨げることは出来ないと言うのが私の認識で、全国展開する大手アミューズメントグループがなぜ法廷闘争に持ち込まなかったのか不可解で仕方がない。強く抵抗した店舗の同じ建物内にパチンコ屋があるのは知っているが、もしかして、そこでは警察OBが関わった「○店方式」のような極めてグレーな取引が行なわれていて、それが原因ではないか?とか、その警察OBや関係する人物から「東京都の湾岸地域や他府県では同じような取締りはやらない」という口約束があったのではないか?といった事をどうしても考えてしまう。一時は「本当に警察訴える」的なハナシが漏れ聞こえた気がするので、これは今でも不思議で、もしかして一連の事件で昇進したり退職金が増えた警察官がいるんじゃないか?と、さらに言えばご退官後の就職先が決まった方々がいるのではないか?と、もっと言えば普通は押してもらえない謎の判子を押して貰えちゃったりした人がいるんじゃないか?と、今でも一岐阜県民としてハラハラしている。岐阜県は札束を県庁の焼却炉で燃やした県なのだ。「鵜飼、岐阜城、燃える札束」の県なのだ。当時、他のライバル店の経営者も「○○グループが抵抗してくれるはずだ」と淡い期待を抱いていたのではないか。24時間のゲームセンター経営者たちは別に違法なことをしていた意識は無かったのだ。多少の杜撰さはあれど粛々と法令に基づいて店舗運営に取り組んでいたはずで、全ての店に「警察官立ち寄り所」のステッカーはあったはずだった。

・全て警察の圧力に由来しているわけではない

 ここまで書くと全て「警察さえいらん事しなければ」と思う方もいるかもしれないが、そうではない。ゲームセンターは歴史的にも性質的にも警察と密接な関係でなくてはいけない。警察の見回りに感謝しつつ、襟を正して営業するべきなのだ。岐阜県だけではない、ゲームセンターは全国でつぶれている。全国が岐阜県のようなトンパチ案件を抱えているわけではない。これには「オンラインゲームの隆盛」と「ゲームメーカーのビジネスモデルの変化」の影響がむしろ大きい。昔、ゲームメーカーは作ったゲームを売り切ればそれでよかったが、現在はオンラインで「バージョン変更」ができるゲームが大半で「作った後も手をかけ続けないといけない」方向にゲームの世界が変化してしまった。当然、そこには人件費がかかり続けるため、「ゲームを売っただけ」ではお金が足りないモノにアーケードゲームが変わった。バーチャファイター4ではVF.NETというオンラインサービスでゲームがカスタマイズ出来たが、VF.NETは利用料を月額でとっていたのにも関わらず大赤字で、セガはバーチャファイター4がサービス終了するまでその赤字に耐えていたと聞き及ぶ。インターネット通信への依存がさらに強い通信対戦ゲームなどでは、ゲームセンターもゲームメーカーも通信のためにかなりの金額を月々支払っている。そして現在はゲームセンターで1プレイにかかる金額が例えば100円だとすると、その中から30円はゲームメーカーに支払われる…と言った方式や、ゲームを売らずにゲームメーカーはレンタルして、毎月のレンタル料で売り上げる方式が発達している。こうすることでゲームメーカーはゲームをリリースした後も売り上げが上がり続ける。相対的に「ゲームセンターは昔ほど儲からなくなった」のだ。ただし、「ゲーム会社がアーケードゲームでガッツリ儲かるようになった」ワケでもない。やはりゲームセンター離れは進んでいる。そして、ゲーム会社は「むしろソーシャルゲームで儲けたいのだろうな」と、「eスポーツだって利益が上がりそうになければ、ゲーム会社にとってはただのメンドクサイだけのハナシなんじゃねーかな?」と深く感じ入ったところでこのハナシを〆たい。多くの人間にとって有用なハナシを書いたのではなく、単に一個人、ゲーマーとしてのため息、恨み言であった。

 なお、「eスポーツ」に関しての小生の偏見については、参加させていただいている電子フリーペーパー「北極大陸」の40号に少々書いているので気になる方はダウンロードしていただけると幸いである。

北極大陸配布所
https://www.facebook.com/groups/1563640843850669/
posted by スナ惡とか粂田とか at 16:33| Comment(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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