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2017年09月12日

太鼓の達人のバチについて

はじめに断っておくのだけれど、私は「太鼓の達人」のプレイヤーではない。やったことはあるけど、息子が太鼓の達人に興味を持ったほんの一時の話だ。

・話はだいぶさかのぼる
音ゲーは一体どういうゲームなのかということについて過去に考察した雑誌があった。インド人は左右どちらが望ましいか?ひじきは健康にいいのか?(*1)など諸問題に豪快に切り込んだ今は亡きゲーム雑誌「ゲーメスト」(*2)だ。ゲーメストでは音ゲーはハッキリと「モグラたたき(*3)の進化形」とされていた。実は私はこの意見には完全に同意している。「オブジェクトを見て叩く」ゲームはモグラたたきだ。

・モグラたたきの遊戯性
古き良きモグラたたきは現在は稼働しているのだろうか、非常に悩ましいところだが、ワニワニパニックは未だにそこそこ低年齢層向けのゲームセンターで目にする。素手で叩くと危ないので、クッションのきいたかなり重いハンマーで叩くことになる。モグラたたきがなぜ面白いのかというと、単にゲームのルールに則って点数を稼ぐにとどまらずに、「重いハンマーを振り回す運動がキツイ」という身体的な要素を含んでいるからだ。こういった「身体を動かすことがそもそも面白い」というのは音ゲーならばダンス系のゲーム、またエアホッケー(*4)やパンチングマシン系、一部の異様にデカイ銃型コントローラーを使うガンシューティング(*5)などにも共通する。仮にワニワニパニックに「取り回しが良い」という理由だけで普通の木槌を採用したら、筐体はぶっ壊れるだろう。また同じくワニワニパニックがスマホゲーになったら…別に悪くはないのだが、ゲームセンターで得られる感覚は激減すること間違いない。

・そう、筐体はぶっ壊れる
DDRをコナミが作った時、ゲームセンターの経営者たちは導入するに際して若干迷ったはずだ。「あのゲーム、あんなに踏んで壊れないの?」という懸念だ。これに関してはコナミは本当にすごかった。壊れなかった。およそどこの店も最初に壊れたのは背もたれのようなバーに巻きつけられたクッションではないだろうか?体重200kgで遊戯しても壊れないというふれこみは本当だった。金属のスパイクでも履いていない限りはそう簡単に壊れなかった。では他の音ゲーはどうだろう?これが良く壊れた。壊れたというか、消耗したのだが、ビートマニアはスクラッチの動作不良、ギターフリークスはピックがニュートラルに返ってこない、例外的にキーボードマニアは鍵盤メーカーのヤマハが技術提供していたはずなのでぐんと耐久性が高かった記憶がある。またボタンは音ゲーに限らず「喫煙者&カフェオレ」のコンビネーション(*6)で何でも壊れるので、ポップンミュージックはよくボタンが一度押したら還らぬ人になっていた。まあ、全て消耗と片づければいいのだが、実は消耗というにはあまりに悲痛な現実が隠れていたのだ。

・音ゲーのスコアアタックが過激化
音ゲーはモグラたたきから進化した割に、家族やカップルでおおはしゃぎして終わりのゲームではなく、完璧なプレイへの欲求を高めた。スコアアタックは過激化し、部品はどんどん消耗していった。そしてゲーマーたちは他のジャンルのゲームと同じく「メンテナンスの良い店」を求めた。これがヤバかった。

・メンテナンスの良い店
格闘ゲームのプレイヤーに多いのだが、「レバーがもうヤバい、変えてほしい(*7)」とクレームが出て、いざ変えると「レバーが固い、技が出ない」と新品のレバーを店が設置している上で、自分の技術が足りないのを棚に上げて最高潮の状態のレバーに文句を言ってくるタイプがいる。これはヤンキーあがりが多い格闘ゲーム(*8)のジャンルで特に頻発していて、このタイプは新品のレバーで対戦して、キレて筐体を壊して出禁になる的な即死コンボを決める可能性まである。話がそれたように見えるが、多くのゲーマーは本質的にメンテの良し悪しを見抜いていないことが殆どで、どちらかというと「メンテが良い」のではなくて「自分にとって都合が良い」店を探している場合がある。ここで音ゲーメンテ無法地帯が誕生し始める。

・音ゲーメンテ無法地帯とは
音ゲーメンテ無法地帯とは「メンテと称して改造行為」を行う店舗をさす。ギターフリークスでは元々のコントローラーのピックのバネが弱く、速いノートを入力する際に、手でピックコントローラーを真ん中に戻す必要があった。そこで開発された破壊行為が「元々、入っているバネを伸ばして長くする」手法だ。これをやるとピックが早く帰ってくるようになるが、バネの性質上「復元できないところまで伸ばすと、役に立たなくなる」ため、定期的に伸ばしなおしてやる必要があり、最終的にはほとんど弾性を失う。お手軽な方法だったので割と蔓延していたと思うが、これは本来は「コントローラーが対応できない速さの曲を作ったコナミの責任」であって、「仕様変更で元々強いバネをコナミが用意してバージョン変更のタイミングで載せ替え」が妥当だった。さて、これは序の口で恐ろしいのはドラムマニアの魔境だ。ヤマハから供給されたドラムパットを使用しているのだが、付属のスティックがちょっとありえないぐらい重かった。これが魔境の入り口だったかもしれない。

・スティックの危険性から始まった
スティックはなぜか柄の部分が合金製になっていて、先端は実際のドラムスティックの形状だったが、どっちかというと警棒に近かった。その凶暴性(*9)は、筐体に縛り付けられていたワイヤーにもあった。普通に使っているだけで、ワイヤーがあっという間にすり減り、ほつれて手に刺さる。これに関しては怪我をさせるわけにはいかないので多くの店があっという間に凶器と化した純正ワイヤーを撤去した。残ったのはぶっとい合金の柄がついたスティックだったが、結構早い段階でマイスティックを持ち込むプレイヤーが増えた。

・マイスティックはドラマーの想像の斜め上
多くのプレイヤーがマイスティックを持参する中、ドラムスティックの改造が行われ始めた。ドラムスティックには本来、先端にチップという膨らんだ部分があり、あれがスティックの跳ね返りを強くして、連打しやすくしているのだが、そこを切り落として、単なる短い棒にするプレイヤーが増えていった。それは本来はドラムスティックの中でも「ティンバレススティック」という別ジャンルのものだとかいう話をゲーマーの大半が知るわけもなく、ホームセンターの丸棒はすぐに折れるから(当たり前)、手ごろなドラムスティックをのこぎりで切ってグリップを巻く方法が普及した。ここに落とし穴がある。もともとヤマハのパッドはドラムスティックで叩くことを想定しているはずなので、短くい棒ではヒットするパワーが足りない。また、チップが無いため連打も難しいということで、単純にプレイを困難にしていったプレイヤーが続出した。そこで、行われたメンテという名の破壊工作は「ティッシュ詰め」と「角度調整」だった。パッドの中にティッシュを詰め込むことで跳ね返りを強くしたのだ。これによってセンサーの寿命はかなり下がった気がする(*10)。また、プレイヤーの叩きやすい角度にパッドを動かした。これもドラムマニアの筐体では、恐らくは設計段階から想定されていなかった手法で、ビスを数本抜くとパッドがいつでもズリズリと動かせる状態になった。これが大変にまずくて、動かしすぎると、構造上断線してしまう。さらに接触不良も頻発するという破壊行為で、私自身、断線の修理を切ない顔でする羽目になったことがある。なので当時「メンテが行き届いている」と言われていた店には一定数、筐体が死にかけている店舗が混じっていた。

・音ゲースコアアタックの過激化2
腕が上がったプレイヤーたちはスコアアタックで出た高得点を、ゲーム雑誌に投稿した。そこで問題になるのが、その雑誌での規定に「工場出荷設定」と書かれていることだ。工場出荷設定とは工場を出た当時の設定ということ。スティックが置き換わって、バネがいじられ、ティッシュが詰められて、ボルトが抜かれていてもそれは工場出荷設定なのだろうか。これはビートマニアUDXの足元の謎の板でも、太鼓の達人のバチでもすべてにあてはまった。「音ゲーの連中は見せかけのスコアのためならルールは無視できてしまう」こういう認識を今でも持っているゲーマーは少なくないはずだ。

・なぜ、自前の道具を使うのが問題になりえるのか?
例えば、ボタン連打で高得点が出るゲームがあるが、ボタンの連打方法にはかなり古くから「チート行為」が存在する。アナログ電子回路的に連射を可能にする「パワー連射」、デジタル信号を利用する「シンクロ連射」。これらは店側の協力で筐体を改造することで可能になる。また、筐体への被害が甚大な「こすり連打」。この方法は主に10円玉のような硬いものでボタンを往復してこすることで行うが、普通に筐体にエグイ傷が入る。「鉄定規連打」は鋼鉄製の定規の弾力を利用して、ビヨンビヨンと定規をはじいて行う連射で、やはり筐体ダメージがある。それ以外にもダーティーな方法(*11)はあるが、とにかくそうした手法はアーケードゲームの歴史の中で排除されてきた経緯がある。

・点数はニセモノ?
当然、そうして出された点数はチート行為に基づいているためニセモノとなりえる。とくにドラムアニアで根が深かったのは、その問題について結論が出たという記憶がない。また、あれらの記録が本物であるという冷静な反証もついぞ聞けなかった。ただ、全国のプレイヤーがぶっちゃけ何を使ってプレイしているのか、互いにわからないまま雑誌のスコア集計に参加していたとことだろう。

・太鼓の達人はその点凄い
そうした話をさかのぼって考えるにつれ、太鼓の達人の何が凄いって、公式で「バチ」をだしたところだろう。そのシステムさえあれば軍手(*12)をしているだけで店にマークされることも無くなる。あとは日曜日のショッピングモールのゲーセンで、後ろに並ぶ児童をガン無視して連コイン(*13)するだけだ。



(*1)バーチャファイター2の攻略記事でジャッキー担当ライターのK氏が一言コメントでジャッキーについてコメントするべきところ「ひじきは体にいい」との内容を書いた。後に本人に意図を確認したところ、その件について全く覚えていなかった。ちなみに本当に出したかった攻略ビデオは「モンキーボール」とのこと。そんなかんじ。
(*2)過去に存在したアーケードゲーム専門誌。ゲーム業界に数々の功績を残した。ちなみに系列のグッズショップのイメージキャラクターをデザインしたのは、当時からとっても絵が上手なフレンズだった。
(*3)過去にゲームセンターにはディスプレイを用いない、きわめてアナログなゲームが置いてあった。モグラたたきは筐体にあいた穴からモグラの人形が表に出てくるところを叩くゲームで、頭を叩かれ過ぎててっぺんからハゲていく悲哀もあった名作。日本ではタイトーがインベーダーゲームをヒットさせて現在のビデオゲームの隆盛につながる。そのタイトーはというともともとジュークボックスの(略
(*4)エアホッケーは今でも人気の機種だが、吹き抜けがあるタイプのショッピングモールのゲームセンターのエアホッケーは大変に危険で、場外ホームランをすると4回のゲーセンのパックが1階の食品売り場に落下するような奇跡を起こす場合もある。また、そういう店にはホームラン職人がいたりする。現在ではかなり対策されたようだが、テロリズムの根絶には至っておらず、セガの「えーでるすなば」の砂を吹き抜けから一回にばらまく朴訥キッズが確認されていて胸が熱い。
(*5)「ガンブレードニューヨーク」は銃座に取り付けられたヘビーマシンガンをぶっ放す設定のゲームで、あまりの振動に「労災」の二文字が脳裏をよぎった。
(*6)タバコの灰とカフェオレが混ざると乾燥するにつれ適度な粘り気と、異常な接着性能を共存させて硬化する。それが「ポップンミュージック」のボタンの隙間に詰まった時の客の怒りは凄まじいが、だいたいそうやって怒る奴に限って喫煙者でカフェオレを愛飲しているため、陰でゲーセンの店員に主に容姿と学歴の低さについてボロクソに言われている。
(*7)レバーは実際に悪くなる。なお、本来はそこまで不具合の頻度は高くないため、レバーの不具合を訴えるクレームの大半は「プレイヤーのコマンド入力の精度の低さ」に起因している。また、下手な奴に限って良く文句を言う。ただし、「このプレイヤーがレバー効かないと言ったらマジできかない」というプレイヤーもいて一昔前はU氏がその業界のトップを走っていた。効きが悪いとかではなく「本当に効かない」率が極めて高い。ちなみにU氏は「対戦中にレバーorボタンを乙らせる」業界でもトップを走っていたが、よろけ回復に伴う芸術的なレバガチャ&ボタン連打に起因していたため、そこを責める野暮はいない(とおもう)。
(*8)「バーチャファイター」は開発段階でプロデューサーのろっ骨が折れ、ゲーセンでは対戦中に殴り合いのケンカを頻発させた。「鉄拳」では大会中に警察に逮捕されたプレイヤーが生まれて、全国の格闘ゲーマーを震撼させた。「ギルティギア」はヤンキー出身は少なかったが、対戦相手にキレたプレイヤーが警察を呼び、呼んだ本人が署に連行されたウルトラ難度。
(*9)金属製の柄は当たり前だが良く滑った。その結果、プレイ中に手からすっぽ抜け、事故が起きるのを防止するべくワイヤーがついた可能性があるが、あとはお察し。危険すぎて店が撤去したケースも。
(*10)叩くと音が違う。元はポコポコ言う程度がパンとかカンと乾いた響きを立てていた。壊れやすいというのは経験なので特に統計は取っていないことは白状しておく。
(*11)他には「発火する」、「前歯を使う」などの方法を用いる「ゲームセンターあらし」があったが、現在は京都精華大学の力もあり、そうしたプレイに出くわす可能性も下がったと思われる。
(*12)軍手のような手袋でも、一時期こすり連打が疑われた。実際に店内に「軍手禁止」と書かれたゲームセンターも。ちなみにその横には「フェイロン禁止」と書かれる場合も。理由は今となっては謎。
(*13)絶対やめて。
posted by スナ惡とか粂田とか at 08:43| Comment(1) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
そんなに人の自殺未遂が面白いですか?

あなたみたいなのが塾経営とはね。

世も末だね。
Posted by うわ at 2017年09月12日 20:26
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