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2017年09月12日

英語の幼児教育とセミリンガル問題について私見

この件に関しては、批判覚悟でしっかりと意見を書きます。のらりくらりとどっちつかずの事を書いて批判され辛くするぐらいなら、ガッツリ叩かれて、その経緯を見る人の参考になった方が良い。

マルチリンガルには二種類の段階があります。一つはリスニングの段階と、もう一つは会話の段階です。

・リスニングについて
リスニングに関しては先ずこちらのリンクをご覧ください。

http://www.riken.jp/pr/press/2010/20101012/

日本語は英語に比べて秀でた部分と劣った部分が両方存在します。優れた部分は連続した母音をきちんと聞き分ける点です。「相生(=あいおい)」という単語は過去に世界で最も短い地名の一つとして知られていた単語です。欧米人にはこの言葉は一音に聞こえるのが原因です。日本人は4音に聞き分ける優れた耳を持っています。また「ほらほら」「寺」「ラーメン」に含まれる「ら」の子音は全て異なる子音ですが、日本人は全て同じ「ら」に聞こえます。これも日本語の利点と言えるかもしれません。英語の場合「Ultra」に含まれる「L」と「R」は全く異なる発音で、特に「L」は左脳へのストレスなどでわずかに話者に障害があるだけで聞き取れなくなってしまいます。日本では「Ultra」は「ウルトラ」と発音するので、別に多少、舌が動き辛くても伝わります。上のリンクではその優れた「日本語耳」をいつ獲得するのかについて書かれています。私の言う日本語耳と上のリンクの日本語耳が同じものを指示しているかは、ウラを取っていませんが、どうせ「英語耳」についてもネイティブはおよそ同時期に獲得していると私は考えています。

・会話について
会話に関してはこちらのリンクをご覧ください。

http://www.realiser.org/group/article/index.php?id=55

語学教育に関わる人間の間で「セミリンガル問題」と呼ばれている問題について書かれています。言語教育というのは子供の脳に対する訓練なので、脳の成長の仕組みに反してはいけないということだと私は捉えています。英語はSVO型、日本語はSOV型で全然違う。私の見解ですが、言語を訓練するということはモノの考え方を身に着ける事でもあります。モノの考え方を訓練する方法がダブルスタンダードであってはいけないのです。日本では子供英会話は「役に立たない、身につかない」とする意見も根強く、私も「子供英会話で英語がペラペラしゃべれるようになる子供はそうそうは育たない」と明言しています。子供英会話では教室に来た時だけ英語の会話にチャレンジしていただいています。決して、生徒さんのご自宅に英語圏を作ることは勧めません。それでは二つの言語環境の間に挟まれた子供にはどんな現象が起こるのでしょうか?

・二つの言語の狭間で発生するピジン言語
私がセミリンガル問題に注視し始めた頃、似たような現象がどこかに無いか探した際に知った事例です。ピジン言語は二つの言語圏の間で自然発生する悪い言い方をすれば「壊れた」言語です。結論としては殆どの助詞と多くの助動詞が機能不全を起こします。日本語であれば敬語も機能できなくなります。そして、このピジン言語(ないしクレオール言語)を母語に子供が育ってしまう可能性を私は危惧しています。これは言語学者からしたら恐らく相当に乱暴な意見だと思うのですが、私は過去にポルトガル語の教室を苦労して立ち上げたことがあります。私はてっきり「ポルトガル語をしゃべる上司や部下とコミュニケーションがとりたい日本人」や「ブラジルに行きたい日本人」が受講してくれると思っていました。実際に通ってきたのは全員ブラジルで生まれた日本人でした。皆、理由は「日本語もポルトガル語もビジネスのレベルで扱えない、望んだレベルの仕事に就けない」という差し迫った事情でした。その困難な講座を講師として担当してくださった方は私に「セミリンガル問題」を最初に説いてくださった方でもあります。

・日本語力の根幹は助詞と助動詞
その頃から、私は「国語を教える」ことにも注視し始めました。私の「国語教育」に対する結論は「言語というものは古い世代の人間が新しい世代の人間に向かって自分の都合で押し付けるものだ」ということです。元々、その押し付けを受け取るのが苦手な子供もいます。そういう子供には「いやあ、国語苦手だな、先生は英語が苦手だ。お互い大変だな。」と一緒に笑います。では、苦手ではない子供にどうやって「母国語」という大荷物を押し付ければいいか。簡単です、教科書を音読させてください。「大人が聞き取りやすいように」読めるようになるまで、根気よく音読に付き合えば、ひらがなに埋もれた助詞と助動詞が文中でどのような役割を果たしているか、理解するようになります。それが理解できると文章の意味を正確に読み取るようになります。

・どうしても母国語を日本語にしなくてはいけないのか?
そんなことはありません。環境から日本語を排除して、学校教育も英語で受けさせれば英語を母語として成長するでしょう。ただし、もう遅いかもしれません。その遅いか早いかの判断は私には出来かねますが、失敗すればセミリンガル問題がのしかかってくるかもしれませんね。ちなみに、生まれつき明らかに複数の言語を習得する星の下に生まれている人間をこれまでに3人ほど見ています。彼らは一様に「ポルトガル語とスペイン語は一緒に覚えると楽だよ」と言ったことを口にします。また、中には「新しい言語は2週間で習得できる」と言って憚らない奴もいます。彼はちなみにアホの部類に含まれます。どこの国に行っても、現地の言葉を流暢に喋り、あらゆる国や地域の子供にアホだと笑われる素晴らしい才能を持っています。私の知る天性のマルチリンガルはその傾向があります。そして彼らは親の努力や期待と全く関係なく、気になった言語をどんどん習得します。

・ではバイリンガルはどうやって作るのか?
それは、バイリンガルの人に直接聞くのが宜しいと思うのですが、外国語の教育で私が非常に重視しているのは「自己紹介」です。子供に自己紹介させてみてください。何秒ぐらい自己紹介できるでしょうか?母国語で自己紹介できるボリュームが、習得した外国語で自己紹介できる限度です。私の経験則ですが、まず、母国語で2分間淀みなく自己紹介できるようになったら、本格的に外国語会話を考え始めても良いかもしれません。原稿を親が書くのは反則ですよ?子供英会話も無力ではありません。リスニングや発音は小さい頃から始めた方が有利です。簡単な受け答えができて、外国人とごく短い会話でも出来たら、異なる文化の人間と触れ合う面白さを体験できます。学ぶことへの感動は貴重です。アルファベットは結局、普通に日本でも使うので覚えて損はないですね。ただ、論理的に自分の意見を述べさせようとするならば、母国語の醸成を待つべきでしょう。そして、一番肝心なのは「外国語は母国語で教える」という事です。最後のリンクは「英語で英語を教えようとする」ことについて危惧する、非常に冷静な文章です。

http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20080113/1200194274

以上、ありがとうございました。
posted by スナ惡とか粂田とか at 03:38| Comment(0) | 雑文 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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